11月12日、急に風雨が襲い冬の寒さに。来場者は少なかったですが、23名の僧侶が集い、親鸞聖人御誕生850年を記念して美しい声明、雅楽を響かせました。
参道には恒例の有明浜の波模様。新たな作品として、銀杏の木に地元の子供たちが作成した根上がり松や魚のイラストが映像作品として投影されました。今回はこれまでの開催の中で最も多くの親子連れが来場し賑わいました。子どもたちの笑顔と歓声が何よりも嬉しかったです。
10月30日、3年ぶりに声明雅楽コンサート「よるしらべ」開催。
真宗興正派西讃教区声讃会を中心として19名の僧侶が集い、今回は聖徳太子千四百年忌として『太子礼文』、『大悲段』、『聖徳太子奉賛』などが勤められました。多くの方が普段とは違った夜のお寺の荘厳の中で響き渡る声明雅楽から仏心が伝わったならば幸いです。
3年ぶりに帰ってきた、観音寺の夜のまち歩き「よるしるべ」。
今年は瀬戸内国際芸術祭公式プログラムとして開催。6日間で約5000人の来場者。近隣の方はもちろん、県内外、外国からの観光客も多くみられました。参道と銀杏の木に観音寺の町から発想を得た映像作品が投影され、地元作家の陶器と竹の灯りも彩りを添えました。また、多くの方がライトアップされた本堂に入って手を合わせてくださり、有難いことでした。
恒例となった「よるしるべ」。
今年も観音寺の夜のまちがアート作品で彩られました。
一心寺では今回も有明浜の波が出現。その横を陶器の灯りが彩りを添えました。
子供がたぬきに扮した映像作品が各所に投影されたこともあってか、ご家族での来場が多かったように思います。
世代を問わずに楽しめるイベントになればと思います。
「よるしらべ」は2本立て。
西讃地区の声讃会が出演した、10月26日の声明雅楽コンサート。
『正信偈』には、葬儀などで使用する早読みの「舌々」、日常使用している「中拍子」、それと似た地域に伝わる「同行節」、そして今回唱えた「墨譜」があります。墨譜は、全ての句に節が付いており、慣れ親しんだ正信偈が違って聞こえたのではないかと思います。今回も和蝋燭のみで照らされ輝く厳かな本堂で、大勢の方にお参りいただきお念仏させていただきました。
11月1日は東讃地区中心の和鳴会出演の舞楽。まずは「蘭陵王(らんりょうおう)」。
北斉の蘭陵王長恭は、武勇の将軍でしたが、その美しさから味方の兵士が彼に見とれて戦さをしようとしませんでした。そこで恐ろしい仮面を着けて勝利したという故事に基づいています。龍を頭に戴き、あごを吊った仮面が特徴で、走舞(はしりまい)という勇壮な舞です。
続いては「落蹲(らくそん)」。蘭陵王に対する答舞(とうぶ)で、ふつうはふたりで舞い、「納曽利(なそり)」が正式な名称ですが、一人で舞うときにかぎって「落蹲」と呼びます。
雌雄の龍が遊ぶ姿といわれ、双龍舞の別称があります。左方と右方がセットになって番舞(つがいまい)と言われる演目で、衣装、動き、演奏される楽器、リズムなどに違いをお楽しみいただきました。
5度目となった声明雅楽コンサート「よるしらべ」。
今回は、有明浜の波が打ち寄せる参道を雅楽演奏しながら入堂。
散華しながらパーリ語での三帰依文「ブッダン サラナン ガッチャーミ(私は仏陀に帰依いたします)、ダンマン サラナン ガッチャーミ(私は法(真理)に帰依いたします)、サンガン サラナン ガッチャーミ(私は僧(聖者の僧団)に帰依いたします)」。
いわゆる輪唱形式のお勤めである「対揚」など、新たな趣向を取り入れたプログラム。
暗いお堂の中で輝く金色の炎の中、美しい声明雅楽の音色が響き渡りました。
今年は春秋と2度の開催となった「よるしるべ」。
映像や灯りの作品を道しるべに、歴史、風土など観音寺の魅力に触れる夜の街歩き。
新アーティスト・斎藤氏も加わって「たぬき」などの新しい展開も。大矢邸には「おいり」の新作も。
ガイドツアー、恒例の声明雅楽コンサート、地元食材を使ったマルシェもあり、夜の観音寺が賑わいました。
一心寺境内では槙氏の透ける陶の灯りと梶高氏の有明浜の波模様。
上市からお寺まで続く道には槙氏の新作、何とも言えない暖かくも怪しい光が一心寺の門まで誘導してくれました。
例年の作品も多かったですが、それも含めて毎年恒例のみなさまの楽しみとなればと願います。
ご来場有難うございました。
4回目となった「よるしらべ」。
今年は真宗興正派声讃会など15名が出演。
メイン曲は「十二礼」。御懺法講(おせんぼうこう・天皇皇后及び皇族方の年忌法要)で用いる礼拝部分を十二礼と呼んでいます。現在、御懺法講では、声明に合わせて雅楽管楽器である笙・篳篥・龍笛で旋律をなぞるように奏するが、興正派では雅楽打楽器である鞨鼓・太鼓・鉦鼓を用いて拍子にのせてリズミカルに唱えます。
和蝋燭の炎に照らされ光り輝く荘厳の中で、美しく和した声明・雅楽の調べを堪能していただけたなら幸いです。
3月16日~18日の3日間にわたって開催された「よるしるべ」。
天候に恵まれて多くの来場者で賑わいました。特に子供連れの方が多く見られ、家族で楽しんでくださっているようで喜びもひとしおです。
2018春の作品をご覧ください。
映像:梶高慎輔(おもち)
灯り:槙黄州
「よるしるべ」の音楽担当、KIJIMA SOUND SYSTEM主宰の永田壮一郎のピアノソロライブ。
「よるしるべ」のテーマソングともいうべき「よるしるべいべー」など、一風変わった音を創り出す印象ですが、ピアノは本格派。彼独特の打ち込み音源との協奏。
まずは魔女の宅急便のテーマで始まり、YMOやレピッシュなどのカバーも彼の音色に。そして観音寺での彼の活動の集大成ともいうべき楽曲「ブリンク」、是非みなさんに聞いてほしい名曲です。
最後にはまた私の念仏とコラボ。このようなコンサート開催は2回目。是非またみなさんに楽しんでいただけるように企画したいと思います。
2011年より始まった「よるしるべ」も今年で6回目。
2013年に続いて瀬戸内国際芸術祭公式プログラムに。
当山は会場として3回目の参加。全国から大勢の方がアートを通して観音寺の街・人・お寺に触れていただくご縁となりました。
映像(梶高慎輔氏)
いわずと知れた「よるしるべ」の顔とも言うべき映像作品。
今回は8カ所で投影。定番の柳町通りの観栄通寶、薬師寺山門の文様、紀州屋での四季折々などはもちろん。
初登場の白山神社では大木が光のやどり木となりました。
一心寺では城門から本堂への参道が舞台。有明浜の波が幻想的。山門の外からや本堂の縁に上がって見るなど、遠くから見ると立体的に浮かび上がり一層美しい波模様でした。
また、波の上を歩き、波が来るたびに飛び越えようとする子供さんの姿も微笑ましいものがありました。
香り(梶高果代氏)
3年目となる観音寺の街をイメージした香りの作品。
三つのお寺にそれぞれ異なった香り札。
その香りに誘われ、映像作品がより一層妖しく、幻想的に見えてくるから不思議です。
陶の灯り(槙黄州氏)
陶器で光の芸術を生み出す手法はなかなかないのでは。
先日、オーストラリアでの個展を終えてからの参加。今回も街角で光の芸術が展開されました。
なんといっても注目は一心寺での新作。昼間はただの白い磁器。しかし夜になると妖しい光を放つ陶の灯りに変身。
波模様とのコラボはより一層幻想的。最後の3日間のみの展示でしたのでご覧になられていない方も多いのでは。
是非また展示してほしいものです。
音(永田壮一郎氏)
今回は地元の音楽好きと観音寺サウンドシステムを結成。
トランペット、トロンボーン、パーカッションなどの若者たちの一生懸命さが会場を沸かせました。
2日目は昨年に続き、キジマ・サウンドシステムも登場。
ヴォーカルなしの演奏は聞きどころが難しいという感じもしますが、それによって各楽器の音が鮮明に耳に入ってきます。
プロフェッショナルと地元の人たちの熱意が融合した素晴らしいライブでした。
ちなみに今年も声明ヴォーカルとしてゲスト出演させていただきました。
また昨年に引き続き、三つのお寺で、お寺で録った音で作られた作品が展開されました。
影絵(長谷川隆子氏)
昨年に続き2度目の参加。今年は代名詞となる蝶の影絵に観音寺らしさが加わりました。
蝶の中に何がある見つかりましたか。
専念寺では一茶の俳句。かまぼこ音楽堂横の倉庫では寛永通宝に海の色々。
見る位置、角度によってその姿が変わってくる、美しい蝶が舞いました。
パフォーマンス(トムスマ・オルタナティブ氏)
この2年、「てのり湯」を披露してくれましたが、今年は「遊懐石~くう諧の回跡~」。
観音寺の街、名物からインスピレーションを受けた料理が亭主・トムスマによって来場者に届けられました。
またパフォーマンスとして物語が展開。神さまや菩薩さま、閻魔大王も登場。彼らを巻き込んで笑わせる展開に。
見た方でないとその世界観は分からないかな。
そして、てのり湯でも活躍した「てのりごちさん」も登場。
しばし、禅のような静寂な時もあり、終わりは背流しの儀ですっきりと。
トムスマ氏の不思議な魅力あふれるパフォーマンス懐石となりました。
3年目となった「よるしらべ」。暗い堂内を照らす幻想的な和蝋燭の光の中、長い伝統に培われた美しい声明と雅楽の音色が響き渡りました。
10月22日に行われた「声明と雅楽のしらべ~五会念仏作法・舞楽~」。五会念仏作法は、中国の法照禅師が定め、慈覚大師円仁が日本に伝え比叡山で勤められていた伝統的なもの。その中心である「極楽荘厳讃」は高音でテンポの良い、およそ「お経」というイメージとはかけ離れたもの。お経って心地よい音楽、と思っていただけた方もいらっしゃるのでは。今年の舞楽は「抜頭」。髪を振り乱して舞うその姿に、嫉妬に狂った妃、猛獣に親を殺されて怒り狂う息子、どちらが本当の由来とお感じになられましたでしょうか。
11月3~4日に行われた「オール・デイ声明~六時礼讃~」。唐の善導大師が著した『六時礼讃』に基づく伝統のお勤め。後鳥羽上皇の怒りを買って法然上人・親鸞聖人が流罪となる原因になったことで有名。一日を四時間ごと六回に分けて、総勢16名の僧侶が昼夜を問わずただ仏を礼讃する。当時もこのような雰囲気だったのかと感動しつつお勤めさせていただきました。
このような機会が、仏さまに手を合わすご縁となれば幸いです。来年も開催できるように頑張っていきたいと思います。
(Photo by 三原俊亮)
2015年11月8日(日)に閉幕した「よるしるべ2015」。
今年は一心寺・薬師寺・専念寺の三つのお寺を中心に作品を展開。
映像、灯り、香り、影、音、パフォーマンス、様々な趣向でみなさまをお出迎えし、幻想世界へと誘いました。
かまぼこ音楽堂では2日間にわたって音楽ライブ。
インフォメーション・とんしょキッチンではグッズ販売、スタンプラリーも行われるなど、今年も「よるしるべ」は多くの楽しみを提供してくれました。
☆参加アーティスト
陶の灯り:槙黄州 映像・香り:おもち(梶高慎輔・梶高果代)
音楽:永田壮一郎 パフォーマンス:トムスマ・オルタナティブ
影絵:長谷川隆子
〇一心寺での作品紹介
山門の映像は有明浜の波の映像によって作られました。
揺れる波、夕日に色づき赤く染まります。様々な色を付けることにより一段と幻想的な波模様が浮かび上がりました。
山門下には香り札。匂うとついつい微笑む、素晴らしい香りでした。
山門をくぐると参道に陶の灯り、光に導かれ本堂へと誘われます。
本堂入口両脇には大作、広がる様々な形の円光はまさに芸術。
本堂内では音の作品。仏具の音色と楽器の音が交差し、そして住職の称える念仏に合わせて奏でられるピアノ、なんとも不思議な曲が流れました。
最終日のかまぼこ音楽堂でのキジマサウンドシステムのライブでは、生で念仏と音楽が融合するという前進的な試みがあり、出演者としても楽しませていただきました。
(Photo by 嶋啓介、三原貴嗣)
昨年、好評を博した「よるしらべ」。
暗い堂内を照らす幻想的な和蝋燭の光の中、長い伝統に培われた美しい声明と雅楽の音色が響き渡りました。
昨年の「礼讃」はリズミカルな曲でしたが、今年の「三十二相」は低音が中心の重厚な曲、しかも現代風に言うと管弦楽付き合唱曲です。また違った味わいだったのではないでしょうか。
今年は舞楽「還城楽」も公演、さらに雅な世界を味わっていただけたのではないかと思います。
来年も開催できるように頑張ってまいりますので是非ご来場ください。
(Photo by 嶋啓介、三原貴嗣)
観音寺の夜のまちを彩った「よるしるべ」。
当山において展示、開催された作品を紹介します。
●灯り(槙黄州氏):山門を彩る灯り。ここに置くために作られたかのような趣のある作品、この灯りが皆さまをお出迎えしました。
●映像(梶高慎輔氏・おもち):「波紋・有明浜」。観音寺の有明浜の映像等で作られた作品。暗いお寺の境内にミスマッチかと思いきや、それがより一層幻想的な雰囲気を醸し出しました。本堂から見ると波が立体的に浮かび上がってきます。また山門にはさまざまな文様が浮かび上がりました。
・香り(梶高慎輔氏・おもち):お寺のお香とは違った甘美な香りが心地よく体を包んでくれます。香りに誘われ山門より左に折れて路地を行くとそこには輝く「やどり木」が…夢の世界に迷い込んだようでした。
●音(永田壮一郎氏):お寺にある仏具が出す音で構成された作品。映像とパフォーマンスと相まって不思議な異空間へと誘われました。
●茶道パフォーマンス「てのり湯」(トムスマ・オルタナティブ氏):茶道を独自にアレンジしたパフォーマンス。地球、ダンス、所作、笑い、静寂、さまざまな要素が詰まったおもてなし。地球という普遍的な存在を捉え、仏教にも通じる安らかな精神世界へと導く新たな茶道でした。
来年の「よるしるべ」はどのような作品が観音寺のまちを彩ってくれるのでしょうか。
楽しみに待ちましょう。
観音寺の夜のまちを彩った「よるしるべ」に合わせて開催された声明・雅楽コンサート「よるしらべ」。
200人以上の来場があり大盛況のうちに終わりました。本堂に入りきれないという嬉しい悲鳴、来場者の方々にはご不便、ご迷惑をおかけまし申し訳ありませんでした。
蝋燭の炎に照らし出された輝く荘厳の中、なかなか触れる機会がない本格的な声明と、笙・篳篥・竜笛の管楽器、箏・琵琶の絃楽器、鞨鼓・太鼓・鉦鼓の打楽器が奏でた雅楽の音色。
「和蝋燭の炎のみの雰囲気が素晴らしかった」、「全身で声明を浴びた」、「京都で体験したものよりも素晴らしかった」、「来年も是非開催を」などのお声を頂戴し大変うれしく思っております。ご来場いただきました方々、有難うございました。
また、すばらしい声と演奏を届けてくださった声讃会、和鳴会のみなさまにも御礼申し上げます。
このようなご縁をいただきました「よるしるべ」関係者の方々にも感謝申し上げます。
来年も開催できればと思っておりますので、またのご来場をお待ちしております。(photo by嶋啓介)
よるしるべの案内の動画です。日中の一心寺も撮影して頂きました。
是非ご覧ください。