葬儀のお勤め

日々親しんでいる「正信偈」を始め、さまざまな経文が読まれます。

仏さま・その教え・それを信じる人々に帰依し、仏弟子となって、南無阿弥陀仏を称え、教えを聞かせていただくという形で行われます。

お勤めに込められた心を味わい、ご一緒にお念仏しましょう。

 

(1) 帰三宝偈〈帰三宝式〉

本来は、葬場への出棺に先立って行われたものです。

三宝(仏・法・僧)に帰依し、極楽浄土に往生することを願います。

 

「道俗時衆等 各発無上心」(すべての人よ、おのおの無上の信心をおこしなさい)と勧め、

「弥陀本誓願 極楽之要門」(阿弥陀如来の本願こそ極楽浄土に入ることができるたった一つの道)と喜び、

「願以此功徳 平等施一切 同発菩提心 往生安楽国」(願わくはこの尊い功徳をもってすべての人々に与え施し、ともに信心をおこして安楽国に往生しよう)と終わります。(善導大師『観経疏』)

(2)〈帰敬式〉

おかみそり(剃髪の儀)。法名を授与されて仏弟子となります。

(3) 讃仏偈〈讃仏式〉

法蔵菩薩が、師となる世自在王仏の光り輝くお姿を讃え、自らも同じように、智慧と慈悲にあふれた仏になりたいと願われた偈です。

私たちを救うべく、四十八の願いとして成就され、仏となられた阿弥陀如来(法蔵菩薩)を讃えます。

 

「光顔巍巍 威神無極 如是焔明 無与等者」(み仏の顔は高大な山のように立派でお力は無限で、その輝きは同等なものはありません)と始まり、

「吾誓得仏 普行此願 一切恐懼 為作大安」(仏となってこの誓いの通り実践し、すべての恐れを抱く者のために大きな安らぎを与える者となることを誓います)、

「我行精進 忍終不悔」(私は努力精進し決して後悔することはありません)と終わります。(『仏説無量寿経』)

(4) 伽陀

阿弥陀如来をお迎えします。

「先請弥陀入道場 不違弘願応時迎 観音勢至塵沙衆 従仏乗華来入会」(阿弥陀如来よ、この道場にお入り下さい。観音・勢至と数知れない多く菩薩たちよ、み仏に従って華台に乗って道場にお入り下さい)(善導大師『法事讃』)

(5) 表白

葬儀の趣旨を述べる文が読まれます。  

(6) 正信偈

親鸞聖人とともに、本願念仏の教えが、お釈迦さまから七高僧を経て、正しく伝えられてきたことをよろこばせていただきます。

「帰命無量寿如来 南無不可思議光」(はかりしれないいのちとひかりの仏さまに帰依いたします)から始まり、「道俗時衆共同心 唯可信斯高僧説」(すべての人々よ、共にただよくこの高僧方の説かれたことを信じなさい)と締めくくられます。( 親鸞聖人『教行信証』)

(7) 和讃

真宗の教えを分かりやすく詩の形にまとめられたものです。

「本願力にあいぬれば むなしくすぐるひとぞなき 功徳の宝海みちみちて 煩悩の濁水へだてなし」

(親鸞聖人『浄土和讃』)

(8) 重誓偈〈聴聞式〉

四十八の願いのあとに重ねてあらわされた三つの誓いを聞かせていただきます。

「我建超世願 必至無上道 斯願不滿足 誓不成正覺」(わたしは世に超えたすぐれた願いをたてて、かならずこの上ない道を得よう。もし、この願いを果たしとげられないならば、さとりをひらきません)。

「斯願若剋果 大千應感動 虚空諸天人 當雨珍妙華」(もし、この願いが成しとげられるなら、 天も地も感動してうちふるい、虚空の天人も、珍しく妙なる華を降らすでありましょう)と結ばれています。 (『仏説無量寿経』)

 

各所で、お念仏と、功徳をすべての人に分かち合い、浄土往生を願う、回向文が入ります。

故人を偲びつつ、お浄土を想い、ご一緒にお念仏しましょう。