引き続き「お釈迦さまの教えってなに?」。
一切皆苦といわれてもなかなか実感ないかもしれません。しかし、私たちは貪り、怒り、愚痴によって苦しみを重ねていないでしょうか。私たちが感じている楽、喜はあっという間に無くなってしまうものではないでしょうか。生老病死の四苦も逃れることはできません。その苦しみの根本は無明、迷っているからです。
その無明を破って苦しみを離れた境地が涅槃寂静。八正道という正しい道を歩んでいく。この正しいということが分かっていないと間違った方向へ進んで苦しむ。正しいとは諸行無常、諸法無我、縁起などお釈迦さまが説かれた真理にしたがって生きるということ。
苦しみを感じた時に仏教が力になればと思うことです。
いよいよ「お釈迦さまの教えってなに?」。
最も最初に説かれたと言われる初期仏典を紐解きながら、お釈迦さまの教えに耳を傾けていきます。仏教の旗印と言われる四法印(諸行無常、諸法無我、一切皆苦、涅槃寂静)を取り上げながらお話。
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」が有名で、無常は日本人の心に沁み込んでいる、すべてのものは移り変わるという真理。
無我は最も難しいところかも。私はここにいるのに我がないってどういうこと?無我とは常に変わらず、主となる我はないということ。私はさまざまな因縁が集まって成り立っている。
この二つの真理はいつどこであっても変わらない。それを根本にものを見ていくのが仏教の特徴です。
第3回は「仏像を観て見よう」。当山にある阿弥陀仏と観音菩薩の仏像を間近に見ながら、国宝・重文の仏像写真100枚を見ながら、それぞれの仏像の姿かたちに込められている意味をお話。ただ見るだけでなく、手を合わせてその心に触れていただきたいと思います。
第2回、初回から引き続き、お釈迦さまってどんな人?
伝道を始められてから入滅、葬儀までのお話。さとりを開かれたお釈迦さまは当初、教えを説くのをためらわれたといいます。ことばでさとりという体験を伝えることがいかに難しいかということでしょう。私たちもことばではなかなか真意が伝わらないのも当たり前と心しなければなりません。
最期は供養された食物にあたってお腹を壊し、苦しまれます。それでも、供養してくれた相手を思いやることを忘れません。師を失う仏弟子たちには「説いた教えがお前たちの師となる」と語られるなど、最後まで周りの人々のことを心にかけておられたお釈迦さま。
私たちを苦しみから救うべく、45年間遊行して教えを伝えてくださったお釈迦さま。是非一度そのことばに耳を傾けてみたいものです。
次回は「仏像に会いに行こう」。親しみやすい文化、芸術の面から仏さまのことを見つめていきます。
新企画「はじめまして仏教」、その初回「お釈迦さまってどんな人?」。
予想を超える17名の参加者、有難いことです。
誕生から出家、さとりを開くまでをインド仏跡旅行に行った際の写真を紹介しながらお話させていただきました。
お釈迦さまはどこでいつお生まれになられたの?何人だったの?何語を話していたの?ということに始まり、誕生時の伝説の意味、「天上天下唯我独尊」について仏典を通してどのような理解にするべきか。出家の動機となったといわれる「四門出遊」も大事なところ。お釈迦さまが出家するきっかけは、老病死に悩んだこと。これは時代が変わろうと、国が変わろうと普遍的なもの。仏教は今の時代にも大切なことを語り掛けているということを知っていただけたなら幸いです。
次回は6月3日(日)14:00~15:30。伝道を始めてから、お亡くなりになるまでのお話です。はじめまして仏教、してみませんか。